【まもなく開始】学習指導要領に保護者が意見を出せる「パブリックコメント」とは?書き方と出し方
こんにちは!現役IT講師のきっちゃん先生です。
「学習指導要領って、国が勝手に決めるものでしょう?」
私もそう思っていました。でも違いました。告示される前に、誰でも意見を出せる期間があります。
前回の改訂では、11,210件の意見が届いています。
その期間が、まもなく始まります。
この記事で分かること
- パブリックコメントとは何か。誰が、いつ、どこで出せるのか
- 2030年度の学習指導要領について、何に意見を言えるのか
- 実際にどう書けばいいか(文例つき)
この記事の読み方
この記事は、「制度の話」と「私の意見」を分けて書いています。制度の部分は国の一次情報にリンクを張り、私の意見には💭 のマークを付けています。
内容は2026年10月5日時点です。募集期間が発表され次第、この記事を更新します。
いま、何が起きているのか
2030年度から、小学校で新しい学習指導要領が始まります。そこに向けた議論が、いま最終段階に入っています。
| 時期 | 何が起きたか/起きるか |
|---|---|
| 2026年8月31日 | 中教審が審議まとめ(素案)を公表 |
| 2026年9月25日 | 企画特別部会で審議まとめ(案)が了承され、教育課程部会へ |
| 2026年10月5日 | 教育課程部会で審議まとめ(案)を協議 |
| この後 | パブリックコメント(意見公募) ← ここが私たちの出番 |
| 2026年末ごろ | 文部科学大臣へ答申 |
| 2026年度末 | 学習指導要領を告示(内容が確定) |
| 2030年度〜 | 小学校で全面実施(中学校2031年度、高校2032年度) |
つまり、内容が固まる前の、いまが最後の意見提出のタイミングです。
出典(一次情報):文部科学省 中央教育審議会 教育課程部会、教育課程企画特別部会 配付資料
パブリックコメントとは何か
国が新しいルールを決めるとき、決める前に広く意見を聞かなければならないという制度です。正式には「意見公募手続」といいます。
2005年(平成17年)の行政手続法の改正で入った仕組みです。
保護者に関係する4つのポイント
1. 誰でも出せます
資格は要りません。保護者でも、先生でも、学生でも、子ども本人でも出せます。日本国内に住んでいる必要すらありません。
2. 期間は30日以上
法律で「30日以上」と決まっています。慌てなくて大丈夫です。
3. 役所は「十分に考慮」する義務があります
出した意見は、読まれずに捨てられることはありません。法律上、十分に考慮しなければならないと定められています。
4. 結果が公表されます
どんな意見が来て、それに対して国がどう考えたかが、あとから公開されます。自分の意見がどう扱われたか、確かめられます。
前回は、11,210件の意見が届きました
「どうせ誰も出していないのでは」と思うかもしれません。数字を見てみましょう。
いまの学習指導要領が作られたときのパブリックコメントです。
- 小学校・中学校の学習指導要領案(2017年2月14日〜3月15日):11,210件
- 高等学校の学習指導要領案(2018年):2,397件
文部科学省は、このうち主な意見114件と、それぞれへの回答を公開しています。「学習内容」「授業時数の在り方」「小学校における外国語教育」「部活動」といった項目ごとに整理されています。
実際に読んでみると、現場の先生や保護者の具体的な声が並んでいます。
出典(一次情報):文部科学省「小学校・中学校学習指導要領案等に対する意見公募手続(パブリック・コメント)の結果について」、同 高等学校学習指導要領案の結果
今回、何について意見を言えるのか
審議まとめ(案)の中で、AI教育・情報教育に関わる部分を挙げます。ここが、このブログの読者に一番関係するところです。
① 情報活用能力が「学びの基盤」になる
国語や算数と並ぶ土台として位置づけられます。すべての教科で情報を扱う、という考え方です。
② 中学校に「情報・技術科」を新設する案
いまの「技術・家庭科」の技術分野を発展させる形です。2031年度からの予定です。
③ 小学校の「総合的な学習の時間」に情報の領域を加える案
2030年度からの予定です。
④ 授業時数を学校の裁量で調整できるようにする
学校ごとに時間割を決められる幅が広がります。
⑤ 学習評価の見直し
成績の付け方が変わります。
⑥ 「好き」を育てて「得意」を伸ばす
案の基本的な考え方です。自分ごととして考え、自分の意見を持ち、話し合って決める力を重視しています。
どう書けばいいか
「意見を書く」と言われても、身構えてしまいますよね。コツは3つです。
コツ1:専門家である必要はありません
国は「現場で何が起きるか」を知りたがっています。保護者にしか書けないことがあります。
- 家庭で実際に困っていること
- 子どもを見ていて感じること
- 地域の事情(都市部と地方では事情が違います)
コツ2:短くていい
長文である必要はありません。数行でも立派な意見です。
コツ3:「どの部分について」を書く
案のどこについての意見かを最初に書くと、整理されて届きます。
書き方の型
【該当箇所】審議まとめ(案)の「情報活用能力」について
【意見】
(賛成か反対か、または要望を一言で)
【理由】
(自分が見ている事実を具体的に)
文例1:賛成の立場から
【該当箇所】中学校「情報・技術科」の新設について
【意見】新設に賛成します。ただし、教える先生の研修を同時に進めてほしいです。
【理由】地方では、情報を専門に学んだ先生が不足しています。教科だけ新しくなっても、教えられる人がいなければ地域差が広がります。わが家の地域でも、授業でのICT活用は先生によって差があります。
文例2:懸念を伝える立場から
【該当箇所】授業時数の柔軟化について
【意見】学校裁量の拡大には慎重な検討をお願いします。
【理由】学校ごとに時間割が変わると、転校した子どもが学んでいない単元が出る可能性があります。家庭の転勤が多い地域では、実際に起きうる問題だと感じています。
文例3:家庭の実感から
【該当箇所】情報活用能力を学びの基盤とすることについて
【意見】賛成します。あわせて、家庭向けの情報発信も強化してほしいです。
【理由】子どもが学校で何を学んでいるのか、保護者には見えにくいのが現状です。家庭での声かけが学校の学びとずれてしまうことがあります。保護者が理解できる形での説明があると、家庭でも支えられます。
💭 ここからは私の意見:なぜ保護者が出したほうがいいと思うのか
ここから先は、出典のない、私の考えです。
教育の議論は、どうしても「教える側」に寄ります
審議会に出ているのは、研究者や学校関係者、教育委員会の方々です。専門性は高い。でも、家庭で毎日子どもを見ている人の視点は、そこからは見えにくいと思っています。
私は教室で保護者の方と話していて、審議会の資料には出てこない話をよく聞きます。「うちの子はタイピングが苦手で授業についていけない」「AIを使わせていいのか家庭で判断できない」。こういう声は、現場にしか落ちていません。
「11,210件」は、多いようで少ない
前回のパブコメに届いた11,210件。一見多いですが、日本の小中学生の保護者は何百万人といます。
つまり、1件の重みは思っているより大きいのではないかと思っています。
子どもに見せられる
これが一番大きいかもしれません。
審議まとめ(案)が目指しているのは、「自分ごととして考え、自分の意見を持ち、話し合って決める」力です。
その案に対して、親が実際に意見を出す。これ以上わかりやすい手本はないと思っています。「お父さんはこう思ったから、国に意見を出したよ」と言えること。それ自体が教育だと感じます。
通らなくてもいい
意見を出しても、そのとおりになるとは限りません。でも「考慮しなければならない」と法律に書いてある以上、読まれはします。そして結果は公開されます。
💭 動かないものに文句を言うより、動かせる場所で一度やってみる。その経験のほうが、子どもに伝わるものがあると思っています。
いつ、どこで出すのか
場所
e-Govのパブリック・コメントのページです。国のパブリックコメントは、すべてここに集まります。
ページ内で「学習指導要領」と検索すると見つかります。Webフォームから送信でき、郵送やFAXを受け付ける場合もあります。
時期
2026年10月5日時点では、まだ募集は始まっていません。教育課程部会での協議を経て、この後に実施される見込みです。
募集が始まったら、この記事を更新してお知らせします。e-Govのページをときどき覗いていただくか、この記事をブックマークしておいてください。
期間は法律で30日以上と決まっているので、始まってから準備しても間に合います。
この記事の確かさについて
| 内容 | 確かさ |
|---|---|
| パブリックコメントの制度・期間・考慮義務 | 法律で定められた事実(行政手続法) |
| 前回の意見件数(11,210件・2,397件) | 文科省の公表値 |
| 審議まとめ(案)の内容 | 案。今後の議論で変わる可能性があります |
| 今回の募集期間・URL | 未発表。発表され次第この記事を更新します |
| 「保護者が出したほうがいい」 | 私の意見。数字の裏づけはありません |
| 文例3つ | 私が作った例。そのまま使わず、ご自身の言葉に直してください |
参考資料(すべて一次情報へのリンク)
パブリックコメントの制度
今回の学習指導要領の議論
- 文部科学省 中央教育審議会 教育課程部会:ページを見る
- 同 教育課程企画特別部会(第17回)配付資料 ※資料1が「審議まとめ(素案)」です:ページを見る
- 同 教育課程企画特別部会 開催状況:ページを見る
前回のパブリックコメントの結果
更新履歴
- 2026年10月5日:初版を公開。パブリックコメントの制度、前回の実績、意見の書き方と文例を収録
募集が始まり次第、期間とURLを追記します。
まとめ
- 2030年度の学習指導要領は、告示の前に誰でも意見を出せます
- 制度上、出した意見は十分に考慮される義務があり、結果も公開されます
- 前回は11,210件。1件の重みは、思っているより大きいかもしれません
- 専門知識は要りません。家庭で見ていることを数行書くだけで十分です
- 募集はまだ始まっていません。始まったらこの記事を更新します
子どもが受ける教育の中身に、親が一度でも意見を出してみる。やってみる価値はあると思います。