【実践】自由研究、AIは「答え」じゃなく「相棒」。Gemini Notebookで『宇宙ゴミ回収ゲーム』ができるまで
こんにちは!現役IT講師のきっちゃん先生です。
「自由研究、まだ手をつけていない…」という方、多いのではないでしょうか。今回は、Gemini Notebook(2026年7月に「NotebookLM」から名称変更)を実際に使いながら、テーマ探しから作品の完成、発表資料づくりまでを進めてみた記録をお届けします。
先に結論からお伝えすると、AIは「答えを教えてくれる先生」ではなく「アイデアを一緒に深掘りしてくれる相棒」として使うのが一番効果的でした。この記事では、その理由を実際の画面とあわせて解説します。
STEP1:Gemini Notebookに「たたき台」を出してもらう
まずはGemini Notebook(notebook.google.com)で新しいノートブックを開き、「ウェブで新しいソースを検索」の欄に、そのままテーマの相談を打ち込んでみます。

「小学5年生向けの自由研究テーマを5つ提案して」と入力し、「Fast Research」モードで検索すると、AIがウェブ上から関連する情報源を自動で集めてきてくれます。

ベネッセの自由研究テーマ一覧や、YouTubeの実験動画などが「高速リサーチ」として一覧表示されました。ここで気になったソースを「インポート」すると、そのままノートブックの資料として取り込めます。
この時点ではまだ「候補集め」の段階です。ここで出てきたものをそのまま採用するのではなく、次のステップで「自分が本当に面白いと思えるか」を基準に絞り込んでいきます。
STEP2:気になった切り口を、自分たちで発展させる
集まった候補の中に「SDGs×プログラミング」というテーマがありました。AIに詳しく聞いてみると、
- マイクロファイナンスの仕組みを調べる
- 海洋プラスチックごみの現状を調べる
- Scratchでゴミ問題解決ゲームを作る(宇宙に漂うゴミを回収するゲーム)
- ロボットプログラミングで井戸掘り体験デバイスを作る
といった案が返ってきました。この中から、「宇宙に漂うゴミ」という部分に興味を持ち、「宇宙ゴミ回収ゲーム」という切り口に絞り込むことにしました。
ここが重要なポイントです。AIが提示したのは「ゴミ問題解決ゲーム」という一般的な案でしたが、それを「宇宙ゴミ」というテーマに落とし込んだのは自分たちの発想です。AIの提案は選択肢のひとつであって、正解ではありません。気になった一部分を拾い上げて、そこから自分たちで発展させていくことが最初の分かれ道になります。
STEP3:「自分の疑問」を追加して、オリジナルの作品にする
ここが、今回いちばんお伝えしたいポイントです。
「宇宙ゴミ回収ゲーム」という方向性が決まったところで、Gemini Notebookに「宇宙ゴミと分別について調べて」と聞いてみました。

返ってきたのは、ゲームの仕組み(導入設定・ミッション内容・クリア条件)の提案だけでなく、
- 家庭で出るゴミの量を1週間記録してみる
- 自分の住む自治体の分別ルールを調べて、ゲームの判定基準に反映する
- プレイした人が「ゴミを分別しなきゃ」と思えるような啓発メッセージを入れる
といった、「調べ学習」とゲーム制作を掛け合わせるアイデアでした。
ここで終わらせず、さらに一歩進めます。AIが出してきたのはあくまで「ベース」です。ここに、自分だけの疑問を追加していきます。
- 「スペースデブリ(宇宙ゴミ)って、そもそもどうやってできるの?」を調べる
- 「宇宙ステーションで発生した生ごみは、どうやって分別・処理しているの?」を調べる
といった、自分の中に浮かんだ「素朴な疑問」を追加でリサーチし、ゲームの判定ルールに組み込んでいく。この工程を経て、実際に次のようなインフォグラフィックが出来上がりました。

「人工物か自然物か」「大きさで分けるか」「生ごみかどうか」「資源として再利用できないか(サーキュラーエコノミー)」——最初にAIが出したゲーム案には無かった視点が、自分の疑問を調べたことで加わりました。
📝 今回いちばんのポイント AIは、ベースとなるアイデアを一緒に深掘りしてくれる「相棒」です。AIから出た答えをそのまま使うのではなく、「スペースデブリについて調べる」「宇宙ステーションの生ごみはどうなるの?」といった自分自身の疑問を追加していくことが、誰とも被らないオリジナルの自由研究にする一番のコツです。「自分ならここはこうする」という意見を、最低ひとつは乗せる。これを意識するだけで、AIとの向き合い方が大きく変わります。
企画とゲームのルールがここまで深まれば、あとはScratchで実際に形にしていくだけです。AIと一緒に深掘りしたイメージを、ぜひScratchで再現してみてください。(Scratchでの具体的な作り方は、今回は割愛します)
STEP4:まとめる・発表する
作品ができたら、発表用の資料もGemini Notebookの「Studio」機能でたたき台を作れます。

言語・スライドの長さ・元にするソースを選び、「作成するスライドについて説明してください」の欄に依頼内容を書くだけで、プレゼン用のスライド案が自動で生成されます。ほかにも、音声解説・動画解説・マインドマップ・レポート・インフォグラフィックなど、複数の形式でアウトプットできるのがGemini Notebookの強みです。
ただし、ここでもAIが作ったたたき台をそのまま提出しないことが大切です。
- 実際に作ってみて難しかったところ、工夫したところを自分の言葉で書き加える
- なぜこのテーマを選んだのか(きっかけ)を追加する
- AIが使った表現を、自分がふだん使う言葉に直す
この一手間があるかどうかで、「AIが作ったもの」から「自分の作品」に変わります。
自由研究でAIを使うときに気をつけたいこと
- AIの情報は必ず自分でも確認する:AIは間違った情報を自信満々に答えることがあります。特に数字やデータは、別のソースでも確認する習慣をつけましょう
- 学校のルールを事前に確認する:AI活用について学校ごとにルールが異なる場合があります。学校現場でのAI導入の動きは【2026年版】Gemini for Educationとは?学校のAIが変わる!もあわせてご覧ください
- 「聞き方」で結果が変わる:ぼんやりした質問より、具体的に聞いた方が良い提案が返ってきます。この考え方はAIでアプリを「作れる人」と「作れない人」の決定的な差とは?でも詳しく解説しています
学年別:AIと相性のいい自由研究テーマ例
- 小学校中学年:身近な自然観察(アサガオの成長記録など)をAIと一緒に「何を記録すればいいか」から考える
- 小学校高学年:今回のようなSDGs×プログラミングのテーマ。ゴミ問題・エネルギー・生き物の多様性などをAIと調べながら、Scratchで簡単なシミュレーションゲームを作る
- 中学生:身の回りのデータ(気温・電気代・交通量など)をAIに整理・グラフ化してもらい、そこから自分なりの仮説を立てて検証する
まとめ
- Gemini Notebook(旧NotebookLM)を使うと、自由研究のテーマ探し・資料整理・発表資料づくりまで一通りサポートしてもらえる
- ただし、AIが出す答えは「たたき台」。そのまま使うのではなく、自分の疑問を追加して深掘りすることでオリジナルの作品になる
- 実際に「宇宙ゴミ回収ゲーム」という作品も、AIの提案に「スペースデブリ」「宇宙ステーションの生ごみ」という自分たちの疑問を重ねることで完成した
- 発表資料もAIでたたき台を作れるが、最後は自分の言葉・自分の気づきを加えることが大切
自由研究がまだ終わっていなくても大丈夫です。AIを相棒にしながら、お子さんの「自分ならこうする」を引き出す時間にしてみてください。


